この記事は、発達の心配のある子だけでなく、子ども全体に対しての関わりのやり方を中心にしています。
「暴走注意」Tシャツの元気な子ども
最近、駅で、母親と小学生低学年に見える男の子が、手をつないで歩いているところに居合わせました。
男の子の来ていたTシャツの背中には、大きく〝暴走注意”のプリント。
足取りはしっかりし、体幹の強そうな子です。
お母さんの声がきこえました。
「トイレはだいじょうぶ？」
男の子は
「はい、だいじょうぶです」と、敬礼か、選手宣誓をしているような口調で答えていました。
その言い方、トーンから、口数が多く冗談も言えそう、頭の回転もよさそうで機敏な元気印、という印象をわたしは受けました。
受け答えからは、かなり怒られたことがありそう。
そして、どういう反応したら怒られずに済むかも分かっていそう。
お母さんが、手をしっかりつないでいるのは、いろいろなことを想定しているからかも。
もし、この子が暴走するとしたら、たぶん、この子なりの理由があってのこと。
メリハリのついた子育てをしてる、ステキなやり手のお母さん！
この子が、この元気さをもって、興味、関心を育てていったら、ステキな人になるだろうなと想像しました。
うまくいっている時間に心を向ける
さて、先ほどの子とは、関係ないことですが、
あなたの周りに、発達障害や、グレイゾーンと言われる子はいませんか。また、子育てで困ったことのある人はいませんか。
どんな子にも、心配なことはあるはずです。同時に、どんな子にも楽しい時間、うまくいっている時間もあります。
これは、家庭でも学校でも同じです。
周囲の不安が子どもを不安定にする
人は、どうしてもマイナス面に気持ちが行きやすいです。
親からは、「ずっと、教えているのにいつまでたってもやらない」
子どもからは「一生懸命やっているのに、うまくいかない」
「みんなに文句を言われるから、話をしたくない」
などと、周囲が子どもを気にすればするほど、こじれていくことがあります。
気持ちのずれをみつける
子どもを心配しすぎず、ゆっくり話をきくと、子どもの困り感と、周りの方の困り感のずれがみつかることがあります。
たとえば、子どもは声をかけたら無視されて悲しいと思い、周りの子は、いつも下を向いていて目を合わさないから嫌われていると思っているなどです。
ずれが分かったのは、課題が整理されてきたということです。
その課題に合わせて
たとえば、
「そこは、丁寧に理由を話したらいいよ」
「相手が忙しそうとか思わなくていいから、挨拶しておいで」
「声をかけると相手はうれしいんだよ」
など、具体的に伝えて、うまくいく体験を積み上げたいです。
（ただし、相手が望んでいなければ、近づくと嫌がられるので、注意が必要ですが）
どんな子にもやり方を教えるのは必要
人との関わり方を教えるのは、どんな子どもにも必要で、発達の課題がある子だけではありません。
ただ、子どもに合わせて、教え方、伝え方は違ってきます。
大切なのは
〝できること、できないこと”は、年齢、体の大きさに合わせて考えるのではなく
その子の〝今”に合わせること。
普通なら分かるよね！ と、いうような決めつけをいかに減らし、目の前の子どもに合わせられるか。
それだけなんですが。
大人も子供も、無意識で決めつけてしまいやすいです。親は自分を責めずに、決めつけに気付いていくところから一歩ずつ。
気になること、感想などは 問い合わせから気軽におしらせください。
