こんばんは。心理士の風間です。
私はけっこう敏感なところがあり、やめたほうがいいと感じたときは、しっかり逃げます。
”大人になってから診断を受けた”人は、わたしの「逃げた」のとは逆で、向き合っています。
発達障害の診断を受けなかったそれぞれの理由
発達障害の診断を受けてこなかったのには、それぞれの状況があります。
まわりが本人に合わせていて、ちょっとまずいことは起きたけれど、なんとかなっていたのかもしれません。
あるいは、発達障害と認めたくなくて、なんとなく突き詰めるのを避けてしまっていたのかも。
発達障害の診断を受けることになるのは
逆に、発達障害の診断を受けたタイミングは、
ざっくり言うと、今のままでは、やっていけないと思ったとき。
たとえば、はじめての集団に入った、
急に任されることが増えた、
完璧を求める人に従わないといけなくなった、
否定されることが多くなったなどです。
これは、発達障害がない人でも、かなりのストレスやプレッシャーがかかりそうな状況です。
こういうとき、柔軟にできる人か、できないかで、生きやすさは大きな違いがでてくるものです。
Aさんの中にあった、ことばにならない違和感
20代の女性のストーリーです。(Aさんは、いろいろな人を合わせています)
Aさんのいままでの様子
「今、思い起こすと、学生のころからやりにくさはありました。
意味のない話はつまらないし、騒がしいのは苦手。
でも、何人か自然に話せる人がいました。
ちょっと変わっていると思われていたようですが、勉強は好きで、困っていませんでした。
はじめての就職は販売店。
在庫の管理を任され、仕事ぶりを認められました。
調子よく働いて、後輩の指導を任されました。フロアに出てお客さんの相手もするようになりました。
慣れようとがんばって数か月経ったある日、通勤途中に息苦しくなり、途中下車しました。
それ以来、通勤に時間がかかるのが負担になり、休職しています。
頑張っていたのに、どうしてこうなったのか、よくわからないです。」
診断は、Aさんに答えをくれた
発達障害かどうかは、特性により生活に支障が出ているかが問われます。
後輩とのコミュニケーションや接客が負担になっていたこと、
音の敏感さがあったことがわかり、
Aさんは、自閉スペクトラム症と診断されました。
発達障害という名前がついたことで、Aさんは、これからを考えられる
Aさんは”うまくやろう”と一生懸命取り組んでも結果につながりませんでした。
努力しても結果につながらないと、やる気がでなくなることもあるのです。
「性格や努力不足のせいではなかった」
「周囲のとらえ方とのずれが、疲れるおおきな理由だった」
「わたしは、よく頑張っていた」
こうした気づきが少しでもあると、自分を責めることが減り、落ち着きを取り戻せるようになるのです。
Aさんのように、感じ方や考え方に特性のある方には、Aさんの思考の流れに沿って理解してくれる存在が必要です。
ただ、家族や友人、職場の同僚といった“身近な人たち”は、早く楽にしてあげて、焦ったり、せしたりしがちです。
また、これまでAさんの言動に傷ついてきたこともあり、十分な余裕を持って関われないことがあります。
そんなときには、親類や古くからの友人など、普段あまり顔を合わせない人で、安心して話せる相手を見つけるのも一つの方法です。
カウンセリングは、「わかってもらえるかも」と思える時間
発達障害のある方の中には、周囲にとっては何でもない一言が、何年も心を離れないことがあります。
それは、そのひとにとって大きな意味がある大切なことだから。
選択肢の一つとして、カウンセリングでは、あなたの感じ方に沿って、話し合います。
心に残った傷を少しずつやわらげていきます。
また、”もう無理””どうせ無駄”と決めつけていた思い込みが、少しずつほどけていくことは少なくありません。
今できる工夫や選択肢を一緒に探していきます。
このような現実的な話合いが、これからの備えとなり、安心につながっていきます。
気軽に問合せ をしてください。