感情を出さないように我慢してしまう人は少なくありません。
怒り、悲しみ、不満はしっかり感じていても、それが、表われないのです。
本音を出せないのは、弱さではなく「適応」の場合がある
”本音を出せない”と思っている人は、我慢していることに気付いている人です。
感情に気付いていても、言葉や、顔つきに出したくない、出せない…。
一方、混乱し、何がおきているのか整理がつかず、自分の感情にたどり着けず、しばらくしてから、たとえば、「ばかにされていた」「疑われていた」と気付く人もいます。
気付いたときには、話が終わっています。悲しさ、悔しさ、いろいろな感情を自分でも感じきれず、相手に伝えることができなくて、気持ちが宙ぶらりん。
理論武装して、仕方がないと納得させるしかなくなることもあるでしょう。
さらに、そのとき気付けなった、言えなかった自分を責めてしまう場合もあります。
どちらにしても、感情を抑えるのは、生き延びるための適応の場合が多いです。
必ずしも性格の弱さではありません。
環境の中で自然に身についた適応のパターンであることが多いです。
なぜ感情を我慢するようになるのか
感情を抑える習慣ができる背景には、いくつかの要因があります。
代表的なものをいくつかあげます。
1 人間関係を壊したくない
本音を言うことで関係が悪くなるのではないか。
その不安が、自分の感情よりも関係の維持を優先します。
2 感情を出すことに慣れていない
「我慢するのが当たり前」が長くあった場合、感情を表現する経験が少なくなります。
その結果、何をどう伝えればいいのか分からなくなることがあります。
また、感情をだすのは良くないことと思っている場合もあります。
3 自分の感情より相手を優先する癖がある
周囲に気を配れる人ほど、自分の気持ちを後回しにしがちです。
優しさや責任感の強さ、場の空気をこわしたくなく、我慢につながることがあります。
なかには、”他の人を傷つける自分”になるのが耐えられず、理想の自分に近づくための我慢のこともあります。
4 感情を出したことで良くない結果になった経験がある
「感情をだしたところで、なんのプラスもない」
「感情を伝えて、かえって状況が悪くなった」という経験を重ねている場合、出さないことで心身を守ることがあります。
感情を抑え続けると何が起きるのか
感情を我慢すること自体が、すぐ問題になるわけではありません。
実際、社会生活では感情をコントロールすることを求められます。
しかし、コントロールを優先し、自分の感情を見ないようにすることが続くと、いくつかの変化が起きることがあります。
たとえば
・気づかないうちに疲れがたまる
・小さなことで強く落ち込む
・突然怒りが出てしまう
・自分の本音が分からなくなる
・熟睡できなくなる
感情は抑え続けても、消えるわけではなく、形を変えて表れる例です。
感情を出すことと、感情をぶつけることは違う
感情を我慢してきた人の中には
「感情を出したら相手を傷つけるのではないか」と感じる人もいます。
たとえば
「それは嫌だった」
「少し悲しかった」
のように、感情を出すことと、感情をぶつけることは違います。
やさしくボールを渡すのと、力いっぱいボールをぶつけるのが明らかに違うのと同じです。
感情を扱う第一歩
感情を我慢する癖がある人にとって、
いきなり本音を話しだすのは、難しいことがあります。
まず、自分が何を感じているかに心を向けるところがスタートです。
たとえば
「わたし、本当は嫌だった?」
「これは、悲しいってこと?」
少し間をおいて、心に問いかけているうちに、少しずつ気付きが増えていきます。
それでも
・いつも自分を後回しにしてしまう
・本音を言えずに苦しくなる
そんな状態が続いているなら、
何を感じているのか言葉にする、書いてみる、話してみることをお勧めします。
そして、変化を自分で観察してみるのです。
我慢していない、何も求めていない、感じていない”傷つき”
最後に、無意識で感情を抑圧している場合について紹介します。
それは、”我慢していると分かる部分”のほかにあります。
あなた自身と一体化していて、感じていないけれど、確かに存在している傷つきです。
ここに、自分だけでたどりつける方は少ないです。
このような傷つきがある場合、我慢する癖に気付き、表現できるようになっても、
あなたと一体化した感じない傷つきに、地味に捉えられたままのこともあります。
それは、抑えた感情が形を変えて現れ続けている状態が続いたままということ。


