にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ にほんブログ村 その他生活ブログへ
心の隙間キリンが通ります

ADHDは「治る」のではなく「つきあっていく」もの

こんばんは。
心理士の風間です。

ところで、もし、まつ毛がなかったら、どうなると思いますか。

風や砂、雨も汗もしみてきて、目を開けていられなくなります。

ADHDの特性をもつ方も、目のように、それぞれが他では代えられない脳力を持っています。

まつ毛が目の守りになるように、あなたの力を発揮するのに環境や工夫が必要なときがあります。

もし、「どうしてこんな特徴があるんだろう」と感じることがあっても、それは才能があるからこそなのかも。

ADHDのままでもいいと受け入れる

いろいろなやりにくさがあって、ADHDと診断されると、

「なんとかしたい」「治せないのか」と思うのは自然なことです。

でもやっていくのは、自分に合った工夫や支え方を見つけながら

少しずつ「自分でいていい」と思えるようになっていくプロセスになります。

特性があることより、変えようとされることが、つらさにつながる。

「治そう」とすることは、まるで「変わらなければならない」と言われているような、無言のプレッシャーになることがあります。

でも、ADHDの特性にやる生きにくさは、がんばりや意志の力だけで変えられるものではありません。

それでも、何とかしようと努力を重ねるうちに、うまくいかない現実にぶつかってしまう。

そうすると、「自分はだめなんだ」と感じてしまう方も少なくありません。

ADHDの生きづらさと共にある、個性と魅力

ADHDの特徴は、違う方向から見ると良いところにもなります。

不注意は、おおらかさに。
衝動性は、好奇心の強さに。
多動性は、行動力に。

この三つは、子どもなら普通にもっているもの。

大人にとっても、大切で、生きていくのに必要です。

とはいえ、現実は、やらないほうがいいときに、つい行動して止まらなくなったり、相手のペースに合わせられなかったりなど、状況に合わせにくいことが、生きづらさになります。

何度も伝えますが、その個性自体は悪いものではなにのです。

良さをどう生かしていけるかになります。

ここまでは、年齢に関係なくADHDについて考えました。

ここから先は、小一の男の子の学校での様子から。

人気者のAくん(小一)がADHDと言われるまで

1年生のAくん(いろいろな子を合わせています)は、明るくて人気のある元気な男の子。

しばらくすると、気の合わない子ともめることが多くなりました。

先生がゆっくり諭すと落ち着くのですが、ちょっとしたことでも怒るようになっていきました。

勉強は、めんどうで、ふざけてしまいます。
そのうち教室から出ていくようになりました。

そうして、1年がたったころ、ほとんど、教室で過ごせなくなり、いつしか、クラスの人気者ではなくなりました。

受診をすすめられ、診断はADHDでした。

あの明るさの裏でAくんは何を感じていたの?

Aくんは、いつも抑えようと頑張っていました。しかし、周りの望むようにできなかったようです。

そして怒られます。

また、頭の回転はよいのですが、気が散ります。

皆のペースに合わせられず、気付いたら動き回っていました。そして、また怒られます。

Aくんが安心できるには

Aくんがクラスにいられなくなったのは、気になることが多すぎたのが一番の原因でした。

気の合わない子に気持ちを乱されたり、いろいろ気を引く物や音に、気持ちが引っ張られていたのです。

そんな状態なので、落ち着いて教室にいられません。じわじわ学力が下がりました。

人と関わることも減っていき、悲しそうな表情が増えていきました。

Aくんの今の様子は、性格ではなく、助けてというSOS。

関わりはの土台は、興味の向くことを中心にして、安心できる場所でいったん落ち着くこと。

そして、集団の場では、目に入るもので気持ちが引っ張られないように、できるだけシンプルにすることが、Aくんの助けになりそうです。

Aくんの求めていいるものって?

Aくんは、教室が嫌で出ていったかもしれませんが

みんなのことが嫌だったのではなく、

”そこは安心していられる場所ではなかった”それだけのことではないでしょうか。

本当は、みんなと楽しくやりたくて

だれかの役に立ち、みんなと仲間になりたくて。

でももう、どうしたらいいのか分からなくなっています。

静かにしないで動き回っていると分かりにくいですが、自信がなくなっているのです。

人気者だったAくんです。

ステキなところがたくさんあるはずです。

だれか、Aくんが素直になり、みんなの中に入れるよう助けてくれる人がいたらいいですよね。

いたのです。

Aくんをおもいっきり可愛がり、思いっきり叱ることができる大人が身近についてくれました。

そして、オープンに、今することを教えていくと、求められることを喜んでやるようになっていきました。

居場所をみつける

さて、現実に戻って考えてみます。

そのような人、どこにいるのでしょう。

学校? 習い事などサードプレイス?

どの場でもいいので、サポートがある安心な場で、
みんながルールを守り楽しむを経験していくのが大切です。

居場所となる環境がみつかりますように。

ADHDの子が、気持ちに余裕がでて、自分を信じられるようになってきたら、それが、「治る」に近い形となります。

家族の中に、理解者がいますように。

ここで紹介したのとは違うタイプのADHDの方もたくさんいます。

もちろん、接し方のポイントも違ってくることがあります。

問合せから、気軽にコメントしていただけるとうれしいです。

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました