開室から1年、
関わらせていただく中で見えてきた、共通して起きている変化について、まとめました。
気持ちの整理がつかないときに起きている状態
相談に来られる方は、
「頭では分かっていても不安が消えない」
「気持ちの整理がつかない」
「自分の感じ方に自信が持てない」
という方が多いように思います。
これらは、相談の場では、
「うまく言えない」
「何から話せばいいか分からない」
といった状態から始まることが多いです。
また、「何に困っているのか」が分かっているのに、繰り返し考え続けてしまう。
「これくらいで人に話していいのか」と迷い、誰にも言えないまま抱え込んでしまうということも起きます。
なぜ、整理しようとしてもうまくいかないのか
気持ちを整理しようとしているのに、うまくいかないとき、性格や能力の問題と思いやすいです。
ここでお伝えしたいのは、違う見かたをしてはどうかということです。
気持ちの整理がつかない背景には、いくつかの要因が考えられます。
①早く答えを出そうとしすぎる
答えが出ると、いったん安定するため、しんどい状態であるほど、安定を求め答えを急いでしまいます。
考えが足りないのではなく、衝動的なのとも違います。
安定を求めるのは、生物としての本能のようなものです。
②感じていることと言葉が一致しない
ときには、出たはずの答えは、振り出しに戻っただけなのに、答えを受けたことに満足して、解決したと勘違いすることがあります。
状況を見れていないことに気付けなくなるのです。
なんとなく違和感や引っかかりがあっても、そこにフォーカスするのを無意識で避けるのです。
そのため、本来の安定は得られておらず、再び、違う答えを求めることを繰り返します。
また、これとは別に、まだ受け入れきれていない状態のとき、感じていることと言葉が一致しないこともあります。
また、一番伝えたかったことが奥に隠れていることもあります。
③ひとりで完結させようとしている
ひとりで考え続けるほど、視点が固定され、同じところを回り続けることがあります。
相談の場で起きている、小さな変化
大きく変わるというより、
少しずつ変化が起きることが多いです。
整理がつかない背景に起きていることは、カウンセリングで防げることが多いと感じています。
不安がゼロになっていなくても、
気持ちの波に気づけるようになります。
曖昧だった感覚がはっきりつながること、
自分でも気づいていなかった気持ちに触れる瞬間が起きることもあります。
自分の気持ちを言葉にできるようになり、
「どうすればいいか」を一緒に考えられるようになることもよくあります。
「全部ひとりで抱えなければいけない」という感覚がやわらぎ、
必要なときに人に話すという選択ができるようになる方もいます。
これらすべて、整理がつく方向に進んでいます。
この一見とても小さな変化は、教えてもらったものではなく、自分でつかみとったものです。
自分のものになります。
この積み重ねは、感じ方や受け止め方を自然に変えていくようです。
変わるペースは人それぞれということ
変化のスピードや形は、人によって大きく異なります。
経験も状況も状態も違うのですからあたりまえなのですが、つい人と比べてしまうことがあります。
また、すぐに整理できることもあれば、
時間をかけて少しずつ見えてくることもあります。
途中で考えがまとまらなくなることや、
元に戻ったように感じることも自然な過程のひとつです。
ひとりで抱え続けている方へ
もし今、考えがまとまらないまま、
ひとりで抱え続けている状態だとしたら、
話すことで、少しずつ整理されていくことがあります。
とはいえ、無理に整理しようとする必要はありません。
うまく言葉にできなくても、
何が問題なのか分かっていなくても、
そこから始められます。
整理がついても消えない不安定さ
一方、自己分析を終えて気持ちの整理がついているのに、相談に足を運ぶ方が、少なからずいます。
これは、整理がつくだけでは、しっくりできない、整理の限界があるのかもしれません。
また、整理を深め知識を追い求めているうちに、ぐるぐる思考になり、深みにはまることや、
知識や経験が増えるに従い、受け入れがたいことが増えて、視野がせまくなる場合もあるようです。
心理の専門家の中にも、自分自身の問題と向き合うときに、同じような状態になる場合があります。
わたし自身を含め、資格保有者であっても、いつもスムーズに自分の問題を解決しているわけではありません。
整理できるできないに関わらず、今に留まる余裕がある状態が安定なのかもしれません。
相談の場で多く目にしたのは、整理が完璧にできて解決する姿ではなく、整理が半ばであっても、余裕ができてきた姿です。
