ADHDは「治る」のではなく「つきあっていく」もの

この記事では、ADHDの子どもの事例を通して、どのようにADHDを受入れ、つきあっていくのかについて考えてみました。

人気者のAくん(小一)がADHDと言われるまで

1年生のAくん(いろいろな子を合わせています)は、明るくて人気のある元気な男の子。

しばらくすると、気の合わない子ともめることが多くなりました。

先生がゆっくり諭すと落ち着くのですが、ちょっとしたことでも怒るようになっていきました。

勉強は、めんどうで、ふざけてしまいます。
そのうち教室から出ていくようになりました。

そうして、1年がたったころ、ほとんど、教室で過ごせなくなり、いつしか、クラスの人気者ではなくなりました。

受診をすすめられ、診断はADHDでした。

Aくんは頑張っても怒られていた

Aくんは、いつも抑えようと頑張っていました。しかし、周りの望むようにできなかったようです。

そして怒られます。

また、頭の回転はよいのですが、気が散ります。

皆のペースに合わせられず、気付いたら動き回っていました。そして、また怒られます。

Aくんが安心できるには

Aくんがクラスにいられなくなったのは、気になることが多すぎたのが一番の原因でした。

気の合わない子に気持ちを乱されたり、いろいろ気を引く物や音に、気持ちが引っ張られていたのです。

そんな状態なので、落ち着いて教室にいられません。じわじわ学力が下がりました。

人と関わることも減っていき、悲しそうな表情が増えていきました。

Aくんの今の様子は、性格ではなく、助けてというSOS。

関わりはの土台は、興味の向くことを中心にして、安心できる場所でいったん落ち着くこと。

そして、集団の場では、目に入るもので気持ちが引っ張られないように、できるだけシンプルにすることが、Aくんの助けになりそうです。

Aくんの求めているもの

Aくんは、教室が嫌で出ていったかもしれませんが

みんなのことが嫌だったのではなく、

”そこは安心していられる場所ではなかった”それだけのことではないでしょうか。

本当は、みんなと楽しくやりたくて

だれかの役に立ち、みんなと仲間になりたくて。

でももう、どうしたらいいのか分からなくなっています。

静かにしないで動き回っていると分かりにくいですが、自信がなくなっているのです。

人気者だったAくんです。

ステキなところがたくさんあるはずです。

だれか、Aくんが素直になり、みんなの中に入れるよう助けてくれる人がいたらいいですよね。

いたのです。

Aくんをおもいっきり可愛がり、思いっきり叱ることができる大人が身近についてくれました。

そして、オープンに、今することを教えていくと、求められることを喜んでやるようになっていきました。

ADHDのままでもいいと受け入れる

いろいろなやりにくさがあって、ADHDと診断されると、

「なんとかしたい」「治せないのか」と思うのは自然なことです。

でもやっていくのは、自分に合った工夫や支え方を見つけながら

少しずつ「自分のままでだいじょうぶ」と思えるようになっていくプロセスになります。

特性があることより、変えようとされることが、つらさにつながる。

「治そう」とすることは、まるで「変わらなければならない」と言われているような、無言のプレッシャーになることがあります。

でも、ADHDの特性にある生きにくさは、がんばりだけで変えられるものではありません。

何とかしようと努力を重ねても、うまくいかない現実にぶつかり、「自分はだめなんだ」と感じてしまう方が少なくありません。

ADHDの生きづらさと共にある、個性と魅力

ADHDの特徴は、違う方向から見ると良いところにもなります。

不注意は、おおらかさに。
衝動性は、好奇心の強さに。
多動性は、行動力に。

この三つは、子どもなら普通にもっているもの。

大人にとっても、大切で、生きていくのに必要です。

とはいえ、現実は、やらないほうがいいときに、つい行動して止まらなくなったり、相手のペースに合わせられなかったりなど、状況に合わせにくいことが、生きづらさになります。

何度も伝えますが、その個性自体は悪いものではなにのです。

良さをどう生かしていけるかになります。

居場所をみつける

さて、現実に戻って考えてみます。

どの場でもいいのです。居場所があるでしょうか。ルールを守ることで、楽しむ験ができるところ。サポートがあって、安心して失敗できるところです。

ADHDの子が、気持ちに余裕がでて、自分を信じられるようになってきたら、それが、「治る」に近い形となります。

家族の中に、理解者がいますように。

ここで紹介したのとは違うタイプのADHDの方もたくさんいます。

もちろん、接し方のポイントも違ってくることがあります。

意見、感想は、問合せからお気軽に。

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