こんばんは。
心理士の風間恵美子です。
北海道はいきなり雪雪雪(書き始めたときは…)。
知人が電話で
「家を出たら1メートル以上雪が積もっていて…」と話すのをききました。
わたしは「この人、話を盛っている」と思っていたら
ニュースで一晩で1メートル20センチの積雪があったと知りました。
信じないでごめんなさい。
ウソの範囲は?
ウソも方便
ときには必要なウソもありますが、
ここでは、本当ではないこと、不誠実なことは全部ウソとします。
たとえば
- ちょっと陸上部に入っていただけなのに「全国大会に行った」
- 少しネットの記事を読んだだけで「相続は詳しいよ」
- 話したこともない人のことを「友だちだよ」
- 自分からまとめ役を引き受けたのに「忙しいから代わって」
- 自分の発言が発端なのに「あなたが問題を大きくしたよね」
このような人がADHDというのではありません。
でも、こういう人が、目につくことがありませんか。
ADHDの人は、うそをつくのか
ADHDの診断を受けた人だけが、嘘をつくわけではありません。
一般的にウソをつく背景として考えられるのは
- 経験(ゆるされてきたため、問題に思わず周囲への影響はみえていない)
- 能力(先の見通しのつけにくさがあり、頭は悪くないが理解していない)
- 性格(人が困るのをみることが満足)
この能力のところに、ADHDが含まれているとわたしは思います。
ADHDであっても、環境に恵まれ過ごしてきた人は、経験も関係しそうです。
ADHDのウソで問題になること
周囲の対応として、
自慢話や、単に盛った話なら聞き流せばいいのです。
困るのは、周りを巻き込むことです。
ADHDの場合、
- 自分は何もやっていないから、周囲のことは関係ないと思っている。
- 何もやらないことが問題になっているとわからない。
- 自分のやることなのに、自分のやる範囲と思わない。
たとえば、職場の慰労会の幹事として、会計を担当したAさんについて。(架空)
当日、同じ担当の同僚が、てきぱき動いているの目につきました。
Aさんは、特にやることがないと判断しました。
疲れたので、無駄な時間を使いたくなくて、お気に入りの店に出かけました。
後で、いなくなったことを責められ、
自分でやるといった会計をほったらかしにしたことや、やることがなかったとか言い訳をして、いいかげんな人…不正直な人と思われました。
Aさんの考えは、人手は足りていた。
向こうが声をかけなかったから問題ない。
何も責められることはしていない。
年齢があがるほど、悪意があるかないかではなく、
人格を疑われます。
残念ながら、信用をなくし、人は離れていきます。
周りの人たちは、実際より大きな話だと気が付いています。
人格を疑われる状況になることもあります。
本人は、それを分かっていないので、重く受け止めません。
ADHDの子どもに対する対応を参考にしてみる
ADHDの大人に対してどう対応するかを、子どもへの対応から考えてみます。
子どものうそは、状況判断の未熟さ、つまり今の状況、状態をモニターできていない場合が多いです。
でも周囲は、性格や経験からきていると思い、善悪を教えるつもりで叱り続ける場合が多いです。
ところが、自分なりの考えがあると、話をきいてもらえないと感じやすいです。
また、頭ごなしに叱られることが続くと孤独感が強くなります。
もっと嘘をつくようになります。
そうなると、その子の発達の問題なのか、
生活で理解したほうがいい課題があるのか分かりにくくなります。
こじれます。
大人の場合も、状況がモニターできていないなら、子どもへの対応と同じです。
有能な方であっても、周りが当然わかっていると思うことが、わかっていないことがあります。
ADHDの人を頭ごなしに責めるのではなく、
状況判断のずれをみつけて、そこから話し合います。
ADHDのよさ
大人になり、多動な様子は目立ちません。
ADHDとカミングアウトしなくてもやってこれました。
年齢にかかわらず
「悪気ないんだよね!」 と周囲が理解を示してくれるとしたら、
周囲の人たちは、特別な理解者かもしれません。
ADHDの方は、純粋で人生を楽しむ雰囲気をもっていることが多いです。
人間的な魅力があるのでしょう。
Aさんは、優しい方です。
頭の回転がよく、
無駄なことをしないので、効率よく時間を使えます。
決断が早く、思いついたことをさっさと進めていく有能さがあります。
人のことも考えています。
でも、順序だてて進めることや分類は苦手です。
その結果
無責任と思われやすいです。
ですが、状況さえわかれば、その場にふさわしい行動ができます。
ADHDの人に取り組んでほしい4つのこと
ADHDの人が力を発揮しやすくなるステップとして
この4つを意識してはいかがでしょう。
- 自分の言動で何かが起きていることに気づく。
- 相手がいま困っているのは、あなたに関係があることを知る。
- 謝るなどの事後処理を充実させる。
- 事前準備を充実させる…一人でいいので誰かとしっかりつながる。
ADHDの人は悪くないです。
でも、分かっていないことがあります。
気にすることの方向を増やしていけば、
もともとの良いところがもっと輝きます。
慣れるまでは、何が起きているのか、
どこまで分かっていて、どこからが分かっていないのかを
一緒にみつけてくれる人が必要です。
カウンセリングも選択肢の一つです。
真面目にとらえすぎず、
でも、少しずつ続けていけますように。
読んでいただきありがとうございました。