こんばんは。
心理士の風間です。
発達障害、HSPといった言葉が知られるようになるほど、少し気になることがあります。
それは、言葉のラベルからくる決めつけが出てしまい、丁寧に見ることができなくなる心配です。
自分がHSPと気付いた女性
25歳の女性、Aさん(複数の方を編集)について見ていきます。
(これは、一つの例であり、人により違いがあります)
才能にあふれ、ものごとを掘り下げて考えることが多い方です。
人のしぐさや、雰囲気から察する力があり、人あたりはよく、好かれています。
でも、仲良くなってからも、ちょっとしたことで相手をイヤになります。
そういうときは、水面下で傷ついているようです。
相手の期待に敏感で、言われていない要望にまで沿おうとし、疲れ果てることがあります。
場の空気感を変えたくなくて、自分の考えがあっても言わないことがあります。
Aさんは、数年前、HSPにあてはまると気付きました。
自分の特性を理解して、うまく自分と付き合っていけるように学びました。
でも、なにかそれだけではすっきりできないものがありました。
子どものころから手がかからない子だった
Aさんは、子どものころから、手がかからず一人で静かに遊ぶ子でした。
怒られることはあまりないのですが、
突然物を壊すことや、すぐ泣いてしまうなど、
周りの人にしてみると、何を考えているのかつかみにくい子でした。
母親が、いろいろ関わろうとしても、とっつきにくさがあり、通じ合えないことが多かったようです。
あとで思うと、音やにおい、温度、触れたときの感じ方、すべてがとても敏感でした。
想像つかないことへの不安感があり、こだわらずにいられなかったところがあるように思われます。
でも、その敏感さを母親は分からず、Aさんもその感覚を分かってほしいと思えませんでした。
そのため、母親は、子どもとの関わりに自信を失い、Aさんにどう接するといいのか分からなくなっていきます。
Aさんにしても、母親から、心地よさ、安心感を得た記憶は少ないようです。
これは、母親のせいとも言えませんし、Aさんのせいとも言えないです。
すれ違ってしまったのですから。
だれかに助けを求めようとしない
こうした日々を過ごしていたAさん。
だれかを信頼し、だれかと関係を結んだ経験がとても少ないです。
でも、うまくやるために表面は元気に明るくしていました。
HSPは病気ではなく気質のひとつです。それは、感性の豊かさ、芸術的な表現力の鋭さとして現れることもあります。
でも、HSPという気質と、特に感覚過敏から、環境は悪くなかったとしても、その不安定さから、HSP気質が強くなってしまうことがあります。
そして、そこから、愛着の築きにくさにつながることもあります。
(家庭内がギスギスしていると、共感力が高く、心の境界線がうすい傾向のあるHSPの方は、気持ちが巻き込まれダメージを負うことがあります)
Aさんは、頭でHSPの特徴を理解して、生きやすくしようとしましたが、効果は限定的だったようです。
Aさんは、しっくりこなかった理由に納得するものがありました。
愛着の回復に向けて、人とほどよい関係を育み、愛着形成を妨げたできごとを一つ一つ解消していく道に進んでいきました。
だれかとつながる
どのような診断名であっても
きもちを受け止めるだれかと出会い、受け止めてもらう経験は、
自分の気持ちを自分でも受け止めることにつながります。
幸せ感が増える
このような感覚、ありませんか?
・コミュニケーションをとれないわけではないけれど、最初から自分が満たされることを望んでいない。
・あきらめるという感情が湧かないくらい、自分を優先しない。
・〝ちょっとした”ないがしろにされた感覚、必要とされていないと感じがダメージにつながる。
・紙一重のところで自分を保っていることが多い。
もし、なんの病名もつかないけれど、やりにくさがあったら
もし、HSPのカゲに愛着の問題を感じたら
まず、自分の可愛がり方がわかると、いつのまにか幸せ感が増えているようです。
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