「いつまで?」という問いの正体
何が不安か分かっているときは、不安の終わりも見当がつくものです。
でも、はっきり言葉で表しにくい不安や
一つの不安が終わっても、次々に起きる心配や不安は終わりが見えず、気にしないようにしても止められないことがあります。
「今の状態はいつまで続くのか」というつぶやきや叫びが出てくるのは無理もないことです。
でも、この言葉の裏には、これまでの長く頑張ってきた積み重ねがありませんか?
無理なときでも、できることをなんとかやってきていませんか。
やったけど、どうにもならなくて、助けを求めようとしたけど、どう求めていいのか…。
助けを求め続けるエネルギーがでなくてそのままにするしかなくて。
なんとか伝えても分かってもらえず。
いろいろ頑張って、不安はわずかしか解消されなかったかもしれないけれど、
何をどのくらいやってきたのかも分からなるぐらい、やってきた事実は消えていないのです。
カウンセラーとして多くの方と対話する中で共通しているのは、このように、これまで長い時間、無理でも「もう十分頑張ってきた」事実が隠れていることです。
なぜ「いつまで続く?」と思うほど、不安は、ふくらむのか
「いつまで」という問いは、意識が常に「未来の予測」に奪われている状態です。
安心するために考えているのに、不安が強くなる
まだ起きていないことは、だれにも正解は分かりません。
考えても整理はされず、考えれば考えるほど、考える材料が増えていくのです。
考える→不安になる→不安について考える→違う不安を考える→さらに不安になる
というループになります。
脳の中では何が起きているのか
不安のループには、脳の2つの働きが関係しています。

本来はバランスを取っていますが、不安が強いと
・扁桃体が過敏に反応します。
・前頭前野が「考えて解決しよう」と動き続けます。
➡「危険だ!」と感じながら、ずっと考え続ける状態になります。
これは、迷路の中に迷い込み、今どこにいるのか分からないまま、出口を探し続けて走っているような状態です。
焦りと恐怖、いつ出られるのか、考えるほどに不安は増していきます。
このように、解決しない問題を考え続け、 感情(不安)も同時に動き続けるのは、想像以上に体力は消耗していきます。
これが、不安のループのときに起きていることです。
「解決」を目指すのではなく「心の解像度」を上げる
このループに気付いたら、「いつ終わるか」という答えを探すのを、いったん脇におきます。
分かっていても、それができないかもしれません。
そんなとき、カウンセリングは助けになります。
カウンセリングの場で訪れる「あ、そうか」の瞬間
起きていることを一緒に振り返ります。
少しずつ、感じたこと、気付きが増え、突然、腑に落ちる瞬間が訪れることがよくあります。
カウンセラーが導くというより、自然に話が行きたい方向に進んでいく感じです。
これは、カウンセリングの効果のひとつです。
答えが出ない時間を「ただ、過ごす」ための技術
さきほど、「答えを探すのを、いったん脇におく」と書きましたが、
答えが出ない時間を過ごすのは苦しいことです。
そこをやり過ごすのは、人の数だけ方法があります。
今、ひとつだけ提示するとしたら、身体(五感)を使うことです。
ちょっと自分の考えてしまうループから離れてみます。
今の自分の感覚、たとえば「お腹すいているな」でもいいのです。
徹底的に今を見てみます。
迷路で今いる位置が分からなくなっても、高いところから見ると、今の位置、進む方向が分かるように、まず、いまの自分の感覚、位置を確認していきます。
不安は、未来が分からない以上、解決はしないかもしれません。
その解決しない不安がありながらでも、落ち着いて、いま、この瞬間をやりすごせている実感を積み重ねるというやり方があります。
こうしていま、不安について読んでいるのも、落ち着いてやり過ごしている積み上げです。


