こんばんは。
心理士の風間です。
抜毛症は、周囲に気付かれにくく、
有病率は人口の1~2%ですが、もっといるような感じがしています。
抜毛をしていたAちゃんのストーリー
(抜毛症のAちゃん、Aちゃんのお母さんの許可のもと、本人が特定できないよう編集)
Aちゃんの抜毛は2~3歳から
Aちゃんは30代前半のかわいらしい女性。
生真面目なところと、だらだらするところが混在しています。
お母さんがAちゃんの眉毛の変化に気付いたのは、2~3歳ぐらい。
平安時代の人みたいに、眉頭だけになっていたのです。
それ以来、まつ毛、体毛、髪の毛を、抜いて生えてを繰り返しています。
眉毛とまつ毛を全部抜いたときは、雨や汗が目を直撃するらしく
「痛いよう」とよく泣いていました。
あるときから、抜いたまつ毛が、なかなか生えてこなくなりました。
そのせいかはわかりませんが、まつ毛は間引き程度になりました。
抜毛症だけではなかった。
10代の数年、抜毛が気にならない時期がありました。
でも、手、指の皮をむしる皮膚むしり症がひどくなり、指をカッターで傷つけることがよくありました。
大人になったAちゃんは、何ごとも起こらなければ、皮膚むしり症はおさまっています。
眉毛は、今もありません。
かゆくなって、むずむずするので抜かないといられないと話しています。
抜毛症を改善するために病院に通ったことはありません。
でも、学校でのもめごと、イライラなどで不安定になり、数回思春期外来に通院しています。
生まれてからを振り返ると、
生後3か月から農薬アレルギーと食物アレルギー、
1~2歳から異食症、感情爆発、不登校、過眠、などがあります。
今まで受けた診断名は、ADHD傾向、ASD、社交不安障害。
抜毛症は、思春期前後に始まることが多いので、
抜毛症としてのAちゃんは、典型的ではありません。
Aちゃんの抜毛症の原因は、家庭にあるのだろうか
抜毛症があると、真っ先に疑われるのは家族環境、特に母親の対応です。
Aちゃんのお母さんは、頭ごなしに怒るタイプではありません。
抜いた、むしった、切った、わめいたに関して、叱りつけず、話しをしていたようです。
でも、お母さんは、Aちゃん以外のことで、ときどき爆発していました。
Aちゃんに対して怒っていなくても、Aちゃんは、お母さんを怒らせてはいけないと緊張があったかもしれません。
でも、抜毛症の原因をだれかにもっていくことで、Aちゃんのプラスになるとは思えないのです。
どんな家庭でも、原因にできる内容があると思っています。
Aちゃんの抜毛とストレスに関係はあるのかな
Aちゃんは4か月ごろから農薬アレルギーで、いつも心地悪さがあったと思います。
感覚の敏感さもありました。
そのようなストレスの解消の仕方が、抜毛や自傷という流れになったかもしれません。
そうだとすると、違う解消の仕方を増やせばよいということになります。
↓ 続きます。