こんばんは。
心理士の風間です。
抜毛症は親のせい? そう思ってしまう前に① で、Aちゃんのストレスの解消の仕方が、抜毛や自傷という流れになったかもしれないこと、
そうだとすると、違う解消の仕方を増やせばよいということを書きました。
ここでは、もう少し、抜毛症について、とりあげます。
抜毛症、本人と家族のとらえ方にどんな違いが?
子どもが抜毛症の場合、ある程度の年齢になるまで、大人が思うほど気にしないことが多いようです。
むしろ、そのことで何か言われることのほうが気になるようです。
また、家族が心配しすぎるタイプだと、
子どもは気持ちを先取りされ、話す思いがなえてしまいやすいようです。
抜毛症に、親や環境の影響がないはずありませんが、
だからといって、抜毛症を単純に親のせいにはできないと私は考えています。
抜毛は、やめようとしても止められない
抜毛をすると、このようになるようです。
①ストレスや不安が紛れる。
②自分に刺激を与えることでちょっとすっきりする。
③なにも考えないですむ。
抜毛症がある程度落ち着いた方で、
Aちゃんのように、
むずむずして気になっていたと話す方は多いです。
Aちゃんの場合は、③に近く、こだわりの解消や感覚過敏と関係しているかもしれません。
また、抜毛でストレスや不安が減ることから、
抜毛するのは緊張状態のときと考えることが多いです。
でも、リラックスしているときに抜く人もいて、個人差がかなり大きい印象です。
頭では、止めようと思っているのに止められなかったということもよくききます。
これは、DSM-5による抜毛症の診断基準のひとつです。
注意しても、本人が意識しても、止められないということです。
抜毛症の改善
”抜毛症は、なにかに適応していくために、バランスをとるために出てくるひとつの症状”という見かたを私はしています。
抜毛についてだけを問題視するのではなく、普段の生活で気になっていること、考えていることを
言葉にしていきます。
性格や行動で、パターンがあるのかをみつけていきます。
また、抜くことが
なかなか切り離すことができない癖になっているとしたら、
深追いすると、もっと強く結びつくことがあります。
抜毛症を悪者にしすぎないこと。
薬に助けてもらい、セオリー通り認知行動療法をすることもできます。
すんなり収まっていくこともありますが、
時間がかかることが多いです。
いままでの内容で分かるように、個人差がありすぎてまとめられないです。
つまり、ひとりひとりに向き合い
抜毛症に限らず
その方のすべてと向き合っていくということです。
だからこそ、その人に合わせるカウンセリングで
自分に目を向ける時間を作ることを私はお勧めしたいのです。
抜毛症の保護者の方へ
人には、原因を特定して安定したいという欲求があります。
子どもの不調や問題があると
母親や家庭のせいにする人は多いです。
「スキンシップがたりない」
「ストレス与えすぎてるんだろう」
そういうことを言う人を、
相手にしないですむ状況でありますように。ご自身を守れますように。
また、心配しすぎについて少し書きましたが、
子どもが、抜毛で髪がなくなっていくのを心配するのは当然のことです。
「いま、子どものことが気になってる」と、現実を認めるだけで十分ではないでしょうか。
子どもの抜毛は、親には変えられないことです。
変えられないことに、どう向き合っていけるでしょうか。
親が、本音を吐き出せる場がありますように。
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