他人は自分を写す鏡
「他人は自分を写す鏡」
この言葉の意味は、私たちの態度や感情が相手に映し出されやすい、ということ。
たとえば、笑顔で挨拶すれば相手も自然に笑顔を返してくれる。
優しい気持ちで接すれば、相手の態度もやわらぐ。
反対に、疑いの気持ちがあったり、冷たい態度をしていると、相手も警戒心を強めてしまう。
確かに、ありますよね。
でも、好意的に接しても、悪意をもって接してくる人が一定数いるのも事実です。
相手に見返りを求めている
少しだけ考えてみてください。
好意的な態度を示したら、相手も同じようにするのがあたりまえという価値観はありませんか?
「他人は自分を写す鏡」というのは、ある意味、自分を戒める言葉かもしれません。
いままで、そのように自分を戒めながら、人とよい関係を築いてきたなら、
あなたは、そういう考え方で接することを選んできたともいえます。
相手も、考え方、行動は、相手が選んでいらんでいるのです。
あなたの行動…たとえば、あいさつについてなら、あなたのあいさつの目的は何か、少し考えてみるのはいかがでしょう。
自分のきもちに向かうのです。
相手の反応に関わらず、あなたの目的が果たせていれば、
相手のあなたに対するあいさつ態度は、あなたの言動とは関係ないのです。
相手の問題ということです。相手には相手の事情や気分があります。
鏡のときもあるけど、そうでないときもあるということ。
自分の気持ちに向き合う
ただし、こちらの好意的な態度に、そっけない反応をされると傷つきます。
どうしても、あれこれ考えてしまうなら
「その気持ちはどこからきているのか」
「気になるのはなぜか」など、自分の思いに向き合うチャンス。
表面的にうまくできても、なんどもくりかえすときは
あいさつを返してくれないのは、わたしの声がきこえていなかったから?
わたしは、前に何かやらかしてしまった? など、
もやもやしたり、自分を責めたり、考えて
相手の理由や事情に思いをめぐらし、
相手を悪く思いたくなくて、視点を変え、対応を変え、うまくいくこともあります。
でも、あれこれ考えてしまうことを繰り返しているなら、もっと深いところの自分をみていくことが助けになるかもしれません。
自分を守る
そして、同時に、自分を守ることも大切。
相手が明らかに攻撃的であることや、あなたをおとしめようとしていることがあります。
特に、いままでうまくやってきた方ほど、こういうタイプに出会い、
いままでのやり方が通用しないと、ダメージを受けることがあります。
また、それだけでなく、人間関係をよくしようとして、
ダメージを受けている自分の気持ちに、ふたをしていることに、気付かないこともあります。
その相手とは、距離を保てればよいのですが…。
でも、距離を保てない状況にある人との間だからこそ、ダメージを受けるのも事実。
余裕があれば実験してみてはどうでしょうか
「他人が自分の鏡」という言葉が間違っているわけではありません。
でも、どんなことにも例外はあるので、格言的な言葉をまともに受けすぎないほうがいいかも…。
言い換えると、いつでもいろいろな考え方があることを、意識できていると、予想外のできごとに対応しやすいということです。
そして、気が向いたときには、「他人が自分の鏡」になっているのか実験してみるのも悪くないかもしれません。
たとえば、少し苦手な人に、フレンドリーに近づいていくと、なぜか仲良くなったとしたら、
こちらが相手に壁を作っていたと気付くことがあるかもしれません。
そういう場合は、「他人は自分を写す鏡」だったということかもしれません。
発達の偏りがあった場合
このような人とのやり取り。
発達の偏り傾向があるとかなり苦労するかもしれません。
一度の傷つき体験が、尾をひきやすいからです。
いつか機会があれば、そのことも書きたいと思います。
