「発達障害の診断を受けたのは、大人になってから」の意味するところ

石の中にハートの形が紛れている。発達障害もよくみるとステキなところがみつかります。。 発達障害
石の中にあるハート


こんばんは。
心理士の風間恵美子です。
発達障害の診断を大人になってから受けるということは、
ざっくりいうと、いままで、診断がなくてもやってこれたということ。

発達障害の診断を受けなかったのは、だれのせいでもない

発達障害の診断を受けなかった状況は、

  • 周りが本人に合わせていて、問題にならなかった
  • 本人は、問題と感じていなかった
  • 問題が起きても大きなことにはならず、通り過ぎてきた
  • 周囲も本人も分かっていたが、向き合ってこなかった
  • 発達障害ということが思い当たらなかった

それぞれ、細かな事情が絡み合いますが、このような状況が多いです。

発達障害の診断を大人になって受ける人で多いのは

「大人」といってもおおざっぱですね。
自分を客観視するようになってからとしておきます。

そうすると、
小学校高学年の人から40代、50代、
生きている間に気付かない方もいます。

おおむね、環境や友人に恵まれていた方が多いです。
そして、人間的な魅力を持ち合わせている方がとても多いです。

見ていて助けたくなるし、
許したくなるし、
一分野でずばぬけたところがあったり、
想像がつかないことをするのでおもしろがられたり、
なにより、悪気がない。

もちろん、
みんながこういう方ではありませんが、
思い当たるところがあるのではないでしょうか。

発達障害の診断を受けたのは

発達障害の診断を受けることになるのは、

  • はじめての集団に入ったとき
  • 急に任されることが増えたとき
  • 完璧を求める人に従わないといけなくなったとき
  • 否定されることがおおくなったとき

つまり、ペースを保てない状況になり、
今までのやり方では通用しなくなるのがきっかけとして多い
です。

本人は変わっていないのに、
理解してもらえないのです。
当人としては、理不尽に強く責められたと感じることが増えていきます。


そうなると
人間関係、友人関係、家族関係、自分の体調
全部うまくいかなくなるのは自然ななりゆきです。

Aさんの場合(架空です)

 Aさんは20代の女性です。
今思い起こすと、学生のころからやりにくさはありました。
意味のない話をするのがつまらないし、
騒がしいのは苦手。
でも、ごく少数ですが、話が通じる人がいました。
成績もよく、一目置かれていました。
ちょっと変わっているという評価で問題はおきませんでした。

はじめての就職は服飾関係。
在庫の管理を任されました。
分類、整理は能率よく行い、仕事ぶりを認められました。
接客や、後輩の指導も任されるようになりました。
慣れようとがんばりました。

数か月すると、
電車に乗ると息苦しくなりました。
なんどか途中下車しないと職場に着きません。


朝起きられない自分を責め、
仕事に行けない自分は価値がないと思い
どんどん身体もつらくなり、休職しました。

人とのコミュニケーションが負担になったこと、
音の敏感さがあったことがわかりました。

発達障害は、特性により生活で困りがなければ障害とはなりません。
Aさんの今の体調に、発達の特性が関係しているとわかり
自閉スペクトラム症と診断されました。

発達障害と診断されたAさんに必要なこと

Aさんの感じ方、考え方を
Aさんの思考に沿って理解する人が必要です。

あまりに身近な人だと
すでに、Aさんの言葉や行いで傷ついていることが多いです
気持ちに余裕がない状態で、
発達障害をいつも理解しようとすると身がもたないかもしれません

やはり、支援者やカウンセラーを活用するようにお勧めします。

Aさんが自分自身を理解していくことを助けていきます。
Aさんのこころの傷、ダメージをやわらげていくのと同時に
生活のなかで、できそうなことを探っていきます。


性格や努力不足ではなかったのです。
十分すぎるぐらい頑張ったので、体調にまであらわれたのです

読んでいただきありがとうございました。

石の中にハートの形が紛れている。発達障害もよくみるとステキなところがみつかります。。
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