こんばんわ
心理師の風間恵美子です。
学校での様子は気になるけれど、なかなか様子がわからないことが多いと思います。
人づてに様子をきいてびっくり! ということもありますよね。
見る人によって内容が微妙に違うこともありますが、いろいろな角度から見てもらうことで、いつもと違う発見があります。
とはいえ、気を付けるのは、先生からの連絡も含めて、それらすべてを真に受けすぎないことです。情報は子どもと話すネタです。
自閉スペクトラム症(ASD)と診断された4年生の男の子、Aくんのエピソードです。
Aくんは、掃除当番をさぼって体育館を走り回っていたと、クラスの子が先生に訴え、先生に指導されました。
お母さんが、Aくんに何があったのかをきくと
「お腹が痛くなってトイレに行こうとしたら、クラスの子が追いかけてくるから、逃げてたら、いつまでもついてきて、体育館について、それでも追いかけてくるから、逃げて逃げて逃げていた。」
「先生に聞かれたから何回も何回も話したけど、お腹が痛いならトイレに行くはずだ、嘘だと言ってきいてくれない。」と必死に話してきました。
Aくんは、前にも掃除当番をさぼったことがあったのかもしれません。
嘘をついて、その場しのぎをする子と思われていたのかもしれません。
情報から、大人が判断すると、「何言ってるの!」と一喝して終わりかもしれません。
でも、ASDの子は、その子なりの理屈があることが多いです。
まず子どもの気持ちを受け止め、何が分かっていて何がわかっていないか、そこから考えていくと、関わりやすくなります。
このとき、お母さんは、子どもの様子から、嘘を言っていないと感じました。
クラスの子は、ただ追いかけてきたのではなく、掃除をしてと言いたかったこと。
さぼったのではなく、お腹が痛くなったことが伝わらなかったこと。
そして、話はそれますが、追いかけてきた子も掃除をしていないですよね。
みんな、それぞれ、掃除をしない理由があるということです。
すぐに行動は変わりませんが、ASDの子はまじめに考える子が多いです。
教えが伝わっていないようでいて、あとで思い起こすと積み重なっているとわかることが多いです。
とにかく、子どもにとって、話をきいてもらえる、信じてもらえる経験が、今後の成長の土台になります。
読んでくださりありがとうございました。
※Aくんのエピソードは、掲載の許可を得ています。また、一部の内容を変えています。